老猫が粗相をしてしまう理由とは?飼い主ができるケア方法も紹介

長年家族の一員として過ごしてきた愛猫が年を取っていく姿を見るのは、飼い主にとって辛いものです。中でもこれまで当たり前にできていたトイレでの排泄に失敗するようになると、戸惑いを感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、老猫が粗相をしてしまう理由と、トイレを失敗した際の適切な対処法について解説します。粗相があっても優しく見守れるよう、今回紹介する内容を参考にして老猫への理解を深めましょう。
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老猫が粗相をしてしまう理由
老猫が粗相をしてしまうのは、加齢に伴う自然な現象です。人間と同じように猫も年を重ねると身体機能や認知機能に変化が生じ、今まで問題なくできていた行動が難しくなることがあります。適切なサポートを行うためにも、まずはトイレを失敗してしまう原因を正しく理解しましょう。
筋力低下
加齢とともに筋力が衰えると、トイレまで歩いて行くのに時間がかかり間に合わないことがあります。また下半身の筋力低下により、尿や便をコントロールできずに漏らしてしまうケースも多いです。
関節炎
足腰や関節に痛みがある場合、トイレに入ったり排泄時の姿勢を取ったりする際に痛みを感じる場合があります。その結果、トイレに行くのを我慢したりトイレ以外の場所で排泄したりするケースが多くなります。
糖尿病
糖尿病になると排尿の回数や量が増えるため、健康な時には問題なかったトイレの間隔では対応しきれなくなります。飲む水の量や排尿量が増えるなどの変化が見られた場合は、獣医師の診察を受けましょう。糖尿病は合併症のリスクもあるため、早期の対応が重要です。
認知機能障害
人間と同じように、猫も加齢とともに認知機能が低下していきます。認知機能が低下すると、トイレの場所を忘れたり排泄のタイミングが分からなくなったりします。以下のような症状が見られたら、できるだけ早く発見し適切なケアを行うことが重要です。
- 不眠
- 徘徊
- 不安の増大
- 見当識障害
- 記憶障害
老猫が粗相をしてしまった場合の対処法
愛猫が突然トイレを失敗するようになると、戸惑いを感じる飼い主は多いでしょう。しかし、感情的に叱っても猫にストレスを与えるだけで、根本的な解決にはなりません。まずは原因を見極め、老猫が快適に過ごせる環境を整えることが大切です。以下では、老猫がトイレを失敗した場合の対処法を紹介します。
老猫が使いやすいトイレ環境を整える
まず大切なのが、年を取った猫でも無理なく使用できるトイレ環境を整えてあげることです。足腰や関節に負担がかからないよう、縁が低くて出入りしやすいトイレを選びましょう。また、年を取るとトイレに歩いて行くのが困難になってくるため、家の中に複数のトイレを設置してどこからでもすぐに行けるようにするのも効果的です。
トイレを清潔に保つ
猫は匂いに敏感できれい好きな動物なため、汚れたトイレを嫌がります。そのため、猫砂はこまめに交換し、トイレ本体も定期的に掃除しましょう。また、粗相をしてしまった場所は、すぐに消臭スプレーを使って消臭し、匂いを残さないようにすることが重要です。匂いが残っていると、同じ場所で粗相を繰り返す原因になります。
獣医師に診てもらう
老猫が粗相をしてしまう原因として、病気になっているケースも考えられます。関節炎や糖尿病などの可能性があるため、排泄回数の変化や便秘・下痢などの症状が見られたら、早めに獣医師に相談しましょう。適切な治療を受けることで、猫が感じる痛みや症状が改善する場合もあります。
老猫の粗相は、飼い主の適切なケアと見守りが大切
本記事では、老猫が粗相をしてしまう理由とトイレを失敗した際の対処法について解説しました。老猫の粗相は、加齢により身体機能や認知機能が低下することで起こる自然な現象です。そのため、トイレを失敗しても叱ったり罰を与えたりするのはやめましょう。
大切なのは、老猫の体や心の変化を理解し、安心して過ごせる環境を整えてあげることです。飼い主としてできることを続けながら、愛猫と心地よい毎日を過ごしていきましょう。

