猫の予防接種はいつ?種類と費用、獣医が教える正しい知識

猫を迎えたとき、最初に悩むのが**「予防接種は何を、いつ受ければいいのか」**ということではないでしょうか。
特に初めての飼い主さんは、ワクチンの種類や時期、費用の目安が分からず不安を感じることも多いと思います。
この記事では、猫専用消臭剤「Clinicat(クリニキャット)」の開発担当であり、猫と暮らす一人の飼い主でもある私が、猫の予防接種の基礎知識から、必要なワクチン・時期・費用・注意点までを、獣医師監修のもとでわかりやすく解説します。
猫に予防接種が必要な理由
猫は室内飼いでも、ウイルスや細菌の感染リスクを完全に避けることはできません。
人の服や靴、風に乗って病原体が家の中に入ることもあります。
特にウイルス性の感染症は一度発症すると重症化しやすく、治療よりも予防が圧倒的に有効。
予防接種は、猫の命と健康を守るための「最初の防御壁」なのです。
「外に出ないから大丈夫」と思っている室内猫も、実はリスクゼロではありません。
定期的なワクチン接種が、安心して暮らせる毎日の土台になります。
猫の予防接種にはどんな種類がある?
猫のワクチンは大きく分けて**「3種混合」「5種混合」**の2つが主流です。
それぞれの違いを見ていきましょう。
● 3種混合ワクチン(基本のセット)
最も一般的なワクチンで、すべての猫に推奨される“必須ワクチン”です。
以下の3つの感染症を予防します。
- 猫ウイルス性鼻気管炎(FVR)
→ くしゃみ・鼻水・目やにが出る「猫の風邪」。重症化すると肺炎を起こすことも。 - 猫カリシウイルス感染症(FCV)
→ 口内炎や発熱を起こし、食欲がなくなる。回復後もウイルスが体内に残る場合も。 - 猫汎白血球減少症(FPV)
→ 嘔吐・下痢・脱水を引き起こす重い感染症。致死率が高く、特に子猫に危険。
これらは、室内外を問わず感染の可能性があるため、すべての猫に接種が勧められます。
● 5種混合ワクチン(外出・多頭飼いの猫向け)
3種に加えて、次の2種類が含まれます。
- 猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
→ 免疫力を低下させ、貧血や腫瘍を引き起こすウイルス。猫同士の接触で感染。 - 猫クラミジア感染症(Chlamydia felis)
→ 結膜炎や呼吸器症状を起こす。多頭飼育や外猫との接触で感染リスクが上がる。
外に出る猫や、他の猫と触れ合う機会がある猫には5種混合がおすすめ。
完全室内飼いであれば、3種でも十分なケースが多いです。
予防接種のスケジュール:いつ打てばいい?
● 子猫の場合(生後2〜3か月)
1回目:生後8週(2か月)
2回目:生後12週(3か月)
3回目:生後16週(4か月)に追加することもあります。
これは、母猫から受け継いだ「移行抗体」が弱まり、ワクチンがしっかり効くようになる時期に合わせています。
● 成猫の場合(1歳以降)
初年度に2回接種した後は、**1年に1回の追加接種(ブースター接種)**が基本です。
猫の年齢や生活環境によっては、2〜3年に1回に調整することもあります。
費用の目安
動物病院によって異なりますが、おおよその費用は以下の通りです。
| ワクチンの種類 | 料金の目安(1回あたり) |
|---|---|
| 3種混合 | 3,000〜5,000円前後 |
| 5種混合 | 5,000〜8,000円前後 |
初年度は2回接種が必要なので、合計で1万円前後が目安になります。
なお、診察料や健康チェックが含まれる場合もあり、「ワクチンだけの価格」ではないことも多いため、事前に確認しておきましょう。
副反応や注意点
ワクチン後、まれに次のような軽い副反応が出ることがあります。
- 元気がない
- 食欲の低下
- 注射部位の腫れ
通常は1〜2日で回復しますが、もし発熱・嘔吐・ぐったりしているなどの症状が見られた場合は、すぐに動物病院へ連絡しましょう。
信頼できる病院では、接種後の観察やアフターフォローもしっかり行ってくれます。
猫の性格・体質に合わせたワクチン選びを
実は、ワクチンの種類や間隔は「一律」ではありません。
体質・年齢・生活環境・持病の有無によって最適なプランは変わります。
- 高齢猫や持病のある猫 → 無理な接種を避ける
- 外に出ない成猫 → 3種混合でOK
- 保護猫・多頭飼い → 5種混合+定期検査を推奨
このように、「自分の猫に合った予防プラン」を相談できる病院を選ぶことが何より大切です。
ワクチンとあわせて意識したい「環境の清潔さ」
ワクチンで感染症を防ぐだけでなく、普段の生活環境を清潔に保つことも重要です。
特に猫は嗅覚が敏感で、強い香りの消臭剤や芳香剤がストレスになることもあります。
Clinicatのような無香料・天然ミネラル成分の消臭スプレーなら、舐めても安全で、病院帰りのキャリーや部屋の除菌にも安心して使えます。
予防接種と環境ケアをセットで行うことで、猫の健康をより長く守ることができます。
予防接種を嫌がる猫への工夫
猫の中には、キャリーに入るだけで不安を感じる子もいます。
次のような工夫で、通院ストレスを減らすことができます。
- 普段からキャリーを部屋に出しておく
- 中におやつやお気に入りの毛布を入れる
- 診察後はたっぷり褒めて、安心させる
「病院=怖くない場所」と認識させることが、次回以降の通院をスムーズにします。

まとめ:予防接種は「安心を贈る時間」
猫の予防接種は、単なる義務ではなく、未来の安心を贈るための時間です。
ワクチンは「かかる前に守る」唯一の手段。
そして、その効果を最大限に活かすには、適切な時期と信頼できる病院を選ぶことが大切です。
予防は1回きりではなく、猫の一生に寄り添うケア。
その第一歩として、ワクチン接種をきちんと理解し、猫の健康を守るパートナーになりましょう。
監修:獣医師 田中先生
動物行動学とペット衛生学を専門に、猫の生活環境や衛生製品の研究・監修を行う。Clinicatの開発においては、成分安全性と猫の嗅覚ストレス評価を監修。


