猫のケージの臭いを徹底的に消す方法とは?正しい掃除と消臭のコツ

ある朝、出勤前にふと部屋を見渡したとき――
「あれ?ケージのあたりから、なんか獣っぽい匂いがする…」
そんな瞬間、ありませんか?
私も以前、保護猫を一時預かりしていた頃にまったく同じ経験をしました。
トイレも清掃済み、床も拭いたのに、ケージのまわりだけ“もわっ”と残る臭い。
それは、金属とプラスチックの“複合臭”に、猫の皮脂や唾液が混ざったものでした。
30年以上、猫の衛生環境を見てきた私が断言します。
ケージの臭いは「掃除不足」ではなく、構造とタイミングの問題です。
この記事では、猫専用消臭剤「Clinicat(クリニキャット)」の開発者として、
“臭いが戻らない”ケージ掃除と消臭の正しいステップをお伝えします。
ケージの臭いの正体は「素材+湿気+時間」
猫のケージが臭う主な原因は、次の3つです。
- 金属フレームや樹脂部分に皮脂が付着する
- トイレや食器の湿気がケージ内にこもる
- 布製マットや毛布が臭気を吸着する
特に盲点なのが、「猫の手すりスリスリ行動」。
猫は自分の匂いをつけることで安心しようとしますが、
これが**皮脂由来の臭い成分(不飽和脂肪酸)**を金属に残す原因です。
金属+湿気+脂=時間とともに酸化し、
あの“ケージ特有の獣臭”になります。
つまり、猫の臭いとは「愛情の証」であり、同時に“酸化の科学反応”でもあるんです。
よくある「やってはいけない掃除法」
臭いを取ろうとして、次のような方法を試す方が多いですが――実は逆効果です。
- 塩素系漂白剤を使う → 猫の呼吸器に刺激、金属腐食のリスク
- アルコールスプレーで拭く → 油脂が酸化してさらに臭いが残る
- 香り付き消臭剤を置く → 猫がストレスでケージを避けるようになる
猫の嗅覚は人間の14倍。
“いい香り”は猫にとって“異変”です。
ケージは、見た目よりも空気の質で清潔さが決まります。
プロが推奨する「ケージ掃除+消臭」5ステップ
以下の方法を、私は実際の保護猫シェルターや展示会場で採用しています。
5ステップを順番に行うだけで、臭い戻りがゼロに近くなります。
① 分解・解放
可能な限りケージをパーツごとに分解。
トレイ・棚・金属枠などをそれぞれ洗える状態にします。
→ この時点で、通気を確保できる場所(ベランダや風呂場)に移動。
② ぬるま湯で下洗い
40℃前後のぬるま湯で軽く全体を流します。
これにより、皮脂と尿結晶の“表面層”が剥がれ落ちます。
③ Clinicatスプレーで中和反応
全体にスプレーを吹きかけ、5〜10分間放置。
Clinicatは天然ミネラルがアンモニア・尿酸・脂肪酸に反応して中和します。
ポイントは“こすらない”こと。
分解反応が終わるまで待つ方が、臭いを根から断てます。
④ 拭き取り+自然乾燥
乾いた布で軽く拭き、風通しのよい場所で乾燥。
この段階で金属特有の酸化臭もリセットされます。
⑤ 再セット時の「予防スプレー」
ケージの底面・トイレ下・壁に面する側だけ軽くスプレー。
これで湿気がこもっても臭い分子が固定化されません。
現場データ:臭気レベルがどう変わるか
| 状況 | アンモニア濃度(ppm) | 臭い評価 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 清掃前 | 23ppm | 強い臭い(鼻にツン) | 猫がケージを避ける |
| 水洗いのみ | 14ppm | 軽減するが残り臭あり | 翌日再発 |
| Clinicat併用 | 1ppm未満 | ほぼ無臭 | 3日後も再発なし |
(※室温26℃・湿度60%・保護猫2匹のケージで実測)
科学的にも、「消臭=分解反応」の方が圧倒的に持続します。
ケージの“臭いゾーン”を知ると掃除が早くなる
臭いはケージ全体に広がるわけではありません。
実際の調査では、全臭気の70%以上が3箇所に集中していました。
- トイレトレイの裏側(尿滴が裏面に回り込む)
- ケージ扉のロック部(猫の皮脂・唾液が付着)
- 底トレイと金属枠の境界(通気ゼロの密閉部)
この3点を優先的にスプレーし、拭き取るだけでも効果大です。
「全部掃除」は大変でも、「臭いの根」を断つならこの3点だけで十分。
消臭だけじゃない「衛生+安心」のための工夫
ケージを清潔に保つことは、臭い対策だけでなく、猫の健康にも直結します。
- 湿度が高い環境では、皮膚炎・真菌症のリスクが上がる
- 尿臭が残ると、**縄張り行動(マーキング)**が再発しやすくなる
この2つを防ぐためにも、
「消臭」=「空気の衛生維持」と考えることが大切です。
私が現場で学んだ“再発しない空気管理”
以前、展示会で50匹の猫を一時的に展示したとき、
1日でケージ周辺に強い臭いが発生しました。
そこで行ったのが次の手順。
- 夜間にケージ全体へClinicatを噴霧
- 朝の換気とともに一度乾燥
- 床と壁を軽く再スプレー(保護膜形成)
結果、翌朝の臭気指数はわずか2ppm。
来場者から「まったく臭わない展示ブース」と驚かれました。
この経験で確信したのは――
ケージの臭いは“物”の問題ではなく、“空気の習慣”の問題。
まとめ:ケージの臭いを「科学」で断つ
臭いが発生する条件は、湿気・皮脂・時間。
つまり、この3つを断てば再発は防げます。
| 対策項目 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 材質洗浄 | ぬるま湯+中性洗剤 | 表面の皮脂除去 |
| 中和消臭 | Clinicatスプレー | 尿酸・脂肪酸の分解 |
| 通気乾燥 | 風通し・換気 | 細菌繁殖の抑制 |
ケージが無臭になると、猫はより深く眠るようになります。
それは“清潔”というより、“安心の匂い”を取り戻した証拠です。

監修:獣医師 田中先生
動物行動学とペット衛生学を専門に、猫の生活環境や衛生製品の研究・監修を行う。Clinicat開発においては、成分安全性と猫の嗅覚ストレス評価を監修。
/


