猫用キャリーはこれで選ぶ!安全で快適なキャリーの選び方

数年前、うちの子を初めて動物病院に連れて行くことになった夜。
愛猫をそのまま抱えてドアを開けた瞬間、飛びついて暴れ、あわや脱走――。
あの時、しっかりしたキャリーがあれば、と何度思ったことか。
以来、私は「猫と飼い主両方がストレスなく使えるキャリー」の選び方を研究し、数十種類を試してきました。
その経験からたどり着いた「本当に満足できるキャリーの条件」をまとめました。
どんな猫にも合う“万能キャリー”はありません。
でも、猫の性格・使う場面・安全性に合ったキャリーを選ぶことで、
病院・旅行・災害時など、どんなときでも安心できます。
この記事が、あなたと愛猫にぴったりのキャリーを見つける手助けになれば幸いです。
キャリー選びでまず押さえたい“基本条件”
サイズ — 猫が立てて、向きを変えられる余裕を
キャリーは「ちょうどいい狭さ」ではなく、**「ゆとりがある広さ」**が理想です。
立つ・回る・伏せるができるサイズ。
この条件を満たさないと、猫がストレスを感じやすくなります。
一方で、大きすぎると、移動中に揺れて猫が不安になります。
一般的には「猫の体長 × 約1.2倍」を目安に選ぶと良いとされています。
通気性と換気 — 熱や湿気がこもらないこと
とくに夏場や長時間移動時は、キャリー内が暑くなりがち。
メッシュ窓や通気口が複数あるものが安心です。
また、通気性が良いと、猫のストレスや体調不良のリスクも下がります。
素材と頑丈さ — 安全性と清潔性
キャリーの素材は主に「ハードタイプ(プラスチックなど)」と「ソフトタイプ(布・メッシュなど)」があります。
- ハードタイプは頑丈で、脱走防止・安全性・洗いやすさが高い。
- ソフトタイプは軽く持ち運びしやすいが、噛みつきや引っかきに弱い場合があるので注意。
また、キャリー内で粗相した際の掃除性も考えて、洗いやすさ・底が取り外せるかなどもチェックするのがおすすめです。
出し入れのしやすさ & 脱走防止機能
動物病院に連れて行くとき、キャリーに無理やり押し込もうとすると猫がパニックになりやすいです。
- 天井または上開き扉があると抱き上げて入れやすい。
- ファスナー・ロックはしっかりしたものを。猫は意外と器用に噛み開けることがあります。
病院や旅行、災害時など「いざというとき」に備えるなら、脱走防止は最優先すべきポイントです。
“使う場面”で変わるキャリー選び
キャリーを使う目的によって、適したタイプは変わります。以下のように使い分けると便利です。
通院・近距離移動用(短時間) → 軽くて扱いやすいソフトキャリー
通院や短距離の移動であれば、軽くて持ちやすいソフトタイプが便利。
肩掛けやショルダー付きなど、持ち運びの負担が少ないのもメリットです。
ただし、噛み癖・ひっかき癖のある猫の場合は安全性をチェックしてください。
空港・公共交通機関・災害時 → 頑丈で密閉性のあるハードキャリー
長距離移動や緊急避難には、安全性・耐久性が高いハードタイプ。
換気口やメッシュ窓があっても、構造がしっかりしているものが安心です。
また、飛行機や各交通機関の規定サイズを事前に確認するのを忘れずに。
多頭飼いや大型猫 → 耐荷重・広さを重視したキャリーやカート型
複数猫を一緒に運ぶ場合や、大きめの猫の場合は、耐荷重と安定性のあるキャリーを選ぶべきです。
カート付きや車輪付きキャリーも便利ですが、移動中の揺れや振動が負担になる場合もあるため注意。
猫の性格別に考える “合うキャリー” の見つけ方
猫の性格によって、キャリーの好みも大きく変わります。
臆病・慎重な猫 → 中が囲われていて光・音に配慮されたキャリー
怖がりな猫は、外の景色や音がストレスになりやすいです。
遮光カバー付きやメッシュで通気しつつ視界を遮るタイプが、落ち着きやすいです。
活発・好奇心旺盛な猫 → 出し入れしやすく、安全性の高いハードキャリー
好奇心旺盛で、扉やジッパーを開けようとする猫には、
頑丈でロック機構がしっかりしたキャリーがおすすめ。
また、ソフトキャリーは誤って破れないよう、プラスチック製やハードフレームが安心です。
慣れない外出が苦手な猫 → 日常的に「キャリー=安心」を記憶させる
普段からキャリーを家に置き、おもちゃや毛布を入れておくことで、
「キャリー=安心な場所」と認識させると、人慣れ・移動ストレスが大幅に減ります。
代表的なキャリーの例(用途別に)
以下は、現在よく選ばれているキャリーの中から、用途別に使いやすいものの例です(あくまで一例です)。
- リッチェル キャンピングキャリーファイン ダブルドア — ハードタイプ。安定性と通気性、安全性に優れ、通院・災害時どちらにも対応。
- FEANDREA 折りたたみキャリーバッグ — 軽量で持ち運びしやすく、短時間のお出かけや通院に便利。
- Tresbro 猫 キャリーバッグ ロック式ダブルファスナー — 布製ソフトタイプ。折りたたみ可、通気性あり、日常使いに向くバランス型。
- アイリスオーヤマ メッシュペットキャリー MPC-450 — 軽くてコンパクト、小柄な猫や短距離移動に適したソフトキャリー。
(他にも形状・用途に応じた選択肢がありますので、猫の性格・体格・使用頻度に応じて選ぶのがベストです。)
キャリーを使うときの“慣らしのコツ”
キャリーは「いきなり使う」のではなく、“猫にとって安心できる場所”と認識させることが大切です。
- 部屋の中に開いたまま置いておく
- 猫の毛布やお気に入りのおもちゃを入れておく
- 時々キャリーで昼寝をさせる
- 扉は閉めず、猫が好きなときに出入りできるようにする
こうして“キャリー=安心できる場所”と記憶させることで、
通院・避難などいざというときも、ストレスを大きく減らすことができます。

まとめ:キャリー選びは「猫の安全」と「安心感」の両立
キャリーは、ただ「猫を入れて運ぶ箱」ではありません。
猫にとっては、**“安心できる小さな家”**であり、
飼い主にとっては **“大事な移動の道具”**です。
選ぶときは、以下を常に意識してください:
- 猫の体格や性格に合ったサイズ
- 通気性と換気の良さ
- 素材の頑丈さと掃除のしやすさ
- 脱走防止の信頼性と出し入れのしやすさ
- どのような状況で使うか(通院/災害/旅行/日常使い)
そして、使い慣らすことをあきらめない。
これが、キャリーを“安全で安心な場所”にする最大の秘訣です。
あなたの猫が、キャリーの中でも落ち着いて過ごせるようになりますように。


